パリ5大宝飾ブランド・モーブッサンってどんなブランド?
ショーメやブシュロン等とともに、グランサンクに名を連ねるフランス パリのモーブッサン。
加えて創業から200年に手が届こうというほどの由緒正しい名門でありながら、グランサンクでは珍しく幅広い価格設定で、「手の届くラグジュアリー」を実現してきました。
また、ブランドアイコンとなるエトワール(流れ星)や四葉のクローバーをモチーフとしたチャンス・オブ・ラブ等、遊び心溢れるデザインコードでも話題であり、世界中のセレブリティのみならずミレニアル世代をもファン層として獲得しています。
この記事では、そんなモーブッサンについて解説いたします。
モーブッサンとは?
グランサンクに名を連ねるモーブッサン(MAUBOUSSIN)。
グランサンクはパリ5大宝飾ブランドのこと。名門ジュエラーの聖地・パリのヴァンドーム広場に本拠を構えてきたジュエラーを指します。ちなみに英語ではTHE BIG FIVEと表記しています。
グランサンクはモーブッサンの他には、ヴァンクリーフ&アーペル,ショーメ,ブシュロン,メレリオ・ディ・メレ―が含まれており、いずれも超名門であることがおわかり頂けるでしょう。ただし、モーブッサンはやや異色の存在でもあります。
その理由を解説いたします。
沿革
古代から装飾品は、私たちに身近なものでした。そのためジュエリー産業は、あらゆる業種の中でもかなり早い段階から現在に続く礎が確立されてきたという事実があります。
例えば世界最古のジュエラーと呼ばれるメレリオ・ディ・メレ―の創業は1613年。ショーメは1780年。カルティエであれば1847年・・・こういった具合です。
そんな中でも、かなりの老舗に入るのがモーブッサンです。「世界最古」ではありませんが、その歴史は1827年に始まりました。
一人のフランス人宝石細工師Monsieur Rocher(ムッシュ・ロッシュ)。パリにジュエリー工房を構え、連綿と美しくも緻密なジュエリーを製造し続けてきました。
なお、「ムッシュ」はフランスにおける男性への敬称の一つです。そのため恐らくロッシュがセカンドネームかと思われますが(事実、フランス語圏にある苗字)、本名は明かされていないようです。
1869年になるとロッシュのいとこ兼ビジネスの相棒ジャン=バプティスト・ヌーリーが経営責任を採り、じょじょに欧州を中心にその名声を広めていきます。もちろん当時はSNSなど無い時代ですから、名を広げるにはそれ相応の実力と功績がなくてはなりません。
モーブッサンは、数々の国際的な博覧会で大賞を獲得することで、自他ともに認める名門へとのし上がっていくこととなります。
1873年に出展したウィーン万国博覧会を皮切りに、1878年のパリ万国博覧会ではブロンズメダルを受賞。1924年、ニューヨークで行われたフランス博覧会ではグランプリを受賞。そしてその翌年のパリ万国博覧会ではゴールドメダルを受賞。
とりわけこの1925年大会は「アールデコ博覧会」とも呼ばれており、芸術の新しい時代の幕開けを感じさせるものでしたが、その頂点に立ったモーブッサンが、いかに高度なジュエリー製造技術と最先端の洗練された感性を有していたかがおわかり頂けるでしょう。
ちなみにアールデコと言うのは、幾何学模様や直線を活かしたモダンなデザイン方式です。従来はアール・ヌーヴォーと呼ばれる、動植物といった有機物をモチーフにした、曲線美が特徴的なデザインがトレンドでした。しかしながら20世紀に入り各国で産業革命やそれに伴う高度な大量消費社会が到来すると、華美なアール・ヌーヴォーよりも現代的(当時)で大衆に寄り添ったアールデコが一つの潮流となったのです。
モーブッサンは、このアールデコのデザインコードを巧みに自社製品に取り入れてきました。アールデコは現在のデザイン方式にも息づいているため、モーブッサンのアンティーク品は、決して古臭さを感じさせません。
さらにモーブッサンは伝統的に高度なジュエリー製造技術を有しており、大変上質な製品を輩出していたため、経年があっても著しい劣化が少ないというのも魅力の一つです。
1946年に現在の本拠地があるパリ ヴァンドーム広場に移転し、国際的にも販路を広げていくこととなります。
現在のモーブッサン
2002年に経営者一族から経営権が離れ、スイスの投資家ドミニク・フレモンに事業売却がなされるものの、モーブッサンのブランドレガシーは引き継がれています。上質で、身に着ける人を特別な気持ちにさせてくれる、美しいデザインコードも健在です。
一方で冒頭でも述べたように「手の届くラグジュアリー」を一つのコンセプトとしており、数万円からとグランサンクとして信じられないようなリーズナブルな価格帯のモデルもリリースしています(もっとも、100万円超えのハイエンドも少なくありませんが)。もちろん「安かろう悪かろう」ではないことは、モーブッサンの名声ときわめて高い評価を鑑みれば、一目瞭然です。
2006年には日本進出を果たし、ブティックを9店舗展開。また、2009年には東京 銀座に日本ではモーブッサン初となる旗艦店をオープンさせました。ちなみにその際、先着順で5,000人にダイヤモンドを贈った逸話は大変有名です。
2019年にはフランスの大手百貨店ギャラリー・ラファイエットがモーブッサンの買収を発表しましたが、ラファイエットでは「モーブッサンを次の段階へと発展させる」としており、ますます魅力的なジュエラーになってくれると思うと、目が離せませんね。
モーブッサンの魅力
モーブッサンは比較的リーズナブルな価格帯でまず驚かされますが、それはとにもかくにも、お値段以上に上質かつ繊細なジュエリーを製造しているためです。
ハイグレードのダイヤモンドが丁寧にカットされており、またそれを受けるリングやネックレスも、歪みなく美しいフォルムを描きます。このように美しい製品が、しかもグランサンクのうちの一つのブランドから、数万円~リリースされているのですから。数十万円クラスのハイエンドともなると、非常にラグジュアリーでエレガントな製品群に出会うことができるでしょう。
また、創業時から色石使いにも長けてきたブランドです。
カラーダイヤモンドはもちろん、アクアマリンやサファイヤ,トパーズといった定番どころからシトリンやスモーキー・クォーツ,ペリドットといった珍しい個体まで、様々なモーブッサン・ジュエリーをお楽しみ頂けるでしょう。
さらに言うと、前述の通り、モダンで遊び心溢れるデザインも魅力的。モーブッサンのアイコンでもあるチャンス・オブ・ラブは四葉のクローバーを。
2004年にリリースされ、新たなる定番となったエトワールは流れ星を。
クルール・ダムールは鮮やかな色石をテーマにしており、それぞれのコレクションでストーリーをお楽しみ頂くことが可能です。
モーブッサンの買取相場
モーブッサンは比較的リーズナブルとは言ったものの、それはハイメゾンの中では、という意味です。モーブッサンはまごうことなき高級ジュエラーであること。加えてきわめて上質なダイヤモンドや色石,ゴールドを用いていることから、買取率は「高い」と言っていいでしょう。
例えばダイヤモンドが用いられたネックレス等は、デザインや状態が良ければ100,000円程度で当店GREEBERでは買い取らせて頂いた実績があります。
また、アメジストやモルガナイト,トパーズといった色石を使ったものも、石の大きさや素材にもよりますが50,000円台~80,000円台が当店でのスタンダードなお買取り金額です。
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モーブッサンのような人気どころは素材の価値だけでなく、ブランドとしての価値もしっかりと評価されるため、こういった高額買取の対象になりやすいのです。一方で色石やモーブッサンのようなハイメゾンは、ジュエリー専門の買取店以外に持ち込むと、適切な査定がなされない可能性がございます。
ブランドの価値やデザイン性,市場のニーズ等を知っていなくては、モーブッサンの価値を正しく見極められないためです。
そのため、モーブッサンのご売却をお考えの方は、モーブッサンはもちろん色石やダイヤモンドジュエリーの買取実績が豊富にあり、信頼できるショップに依頼することが肝要です。
まとめ
グランサンクに名を連ねる、モーブッサンについてご紹介いたしました。
モーブッサンとは、間もなく創業200年にもなろうかという、ジュエリー業界トップクラスの老舗であること。その老舗の名に恥じない、数々の栄誉ある国際賞を受賞してきたこと。
現在も上質なジュエリー製造技術を受け継ぎつつ、手の届きやすい価格帯と遊び心溢れるデザインを実現していることをお伝えできたでしょうか。
そんなモーブッサンのお買取りは、GREEBERにお任せください!