パステルピンクのカラーがオシャレ!モルガナイトの魅力
淡く可憐なピンク色で人々を魅了するモルガナイト。
2021年12月の国内の誕生石改定で4月の宝石として追加されたため、この名前に聞き覚えのある方もいらっしゃるでしょう。
4月の桜を思わせるようなピンクのモルガナイトについて、この記事で徹底解説致します!
1.モルガナイトとは?
DATA
鉱物名:ベリル
和名:緑柱石
色:ピンク~オレンジピンク
モース硬度:7.5~8
劈開:不明瞭
原産国:ブラジル、アフガニスタン、モザンビーク、ナミビア、米国、マダガスカル
宝石言葉:優美,優しさ,清純,誠実,愛
モルガナイトはベリルという鉱物に分類されます。
ベリルは緑柱石とも呼ばれ、色味によって名称を変えることで知られています。
有名どころではエメラルドやアクアマリン。この二つは鉱物的にはベリルとなり、クロムあるいはバナジウムが含有されて緑に発色する石がエメラルドに、2価鉄イオンによってブルーに発色する石がアクアマリンとなります。
その他では透明のゴシェナイト、黄色でヘリオドール(ゴールデンベリル)などと親しまれています。
ちなみになぜ同じ鉱物なのに色味が変化するのかと言うと、地中深くに眠っている時に含有された不純物によって、可視光が通り抜けられる色が変わってくるためです。可視光は七色に分類できますが、エメラルドであれば緑が不純物を通り抜けて目に届いているため、このように目視されるのです。
そんなベリルのうちの一つモルガナイトは、マンガンが含有したことでピンク色に発色しています。ただし、なぜマンガン由来でモルガナイトのようなパステルピンクを発するか、ハッキリしたことはわかっていません。
もともとはピンクベリルとして知られていましたが、1911年頃、かの有名な銀行家J. P. Morgan(ジョン・ピアポント・モルガン)氏に由来してモルガナイトと名付けられました。
その理由は、こういうことです。
モルガナイトを1911年頃にマダガスカルで発見したのはジョージ・フレデリック・クンツ博士。博士はティファニーの宝石鑑定士かつ宝石学者でした。そしてJ. P. Morganはジェムコレクターであり、ティファニーの上顧客であったため、博士は氏に敬意を表して、このような名づけを行ったのです。ちなみにジョージ・フレデリック・クンツ博士はクンツァイトやタンザナイトの命名でも知られています。
ちなみに、後述しますがモルガナイトは宝石質の個体となるととても稀少で、大きいものともなるとその価値は大幅に増します。
これまで採掘された中で最も大きい宝石としてのモルガナイトは長さ約23センチ×幅約30センチ×重さ約23キロという代物!1989年10月、アメリカ合衆国のメイン州バックフィールドの採石場で発見されたことから「メイン州のバラ」と呼ばれています。
そんなモルガナイトの魅力は、パステルピンクの可憐な美しさにあるでしょう。
とは言えピンク色の宝石は結構あります。
しかしながらモルガナイトには多色性があります。これこそ、モルガナイトの魅力の真髄と言えます。光の当たり方や見る角度(結晶方向)によって淡いパステルピンクの表情を見せたり、青みがかかって見せたりする様は幻想的です。
また硬度が比較的高く割れづらいため、デイリーユースのジュエリーとして扱いやすいのも嬉しいですね。ただし結晶が柱型のため、
インクルージョンは多いですが、このインクルージョンこそが多色性の要因ともなっているため、ご購入の際は石の質感や輝きを見極め、好みに合ったものを買いたいところです。
2.モルガナイトの評価と買取について
モルガナイト自体はベリルであるため、そこまで稀少な鉱物ではありません。
しかしながらインクルージョンが少なくピンク色の濃い、宝石質の「モルガナイト」となると大変稀少。ハイブランドが取り扱うこともあり、市場評価は高い傾向にあります。
ではどのようなモルガナイトが高く評価されるかと言うと、まずは色調。オレンジがかった個体やピンクが淡い個体も多いですが、最上級は強いパステルピンクを有したものです。またもともとインクルージョンの多い鉱物です。そのためインクルージョンがなく、透明質を維持するものは高額査定の対象となります。
なお、ピンクの色味を出すために人工処理が施されるものも少なくありません。ジュエリーであれば、処理によって大幅に価値が変わるといったことは少ないですが、未処理のルースなどはやはりコレクターズアイテムとしても重宝されています。
ただし売却には注意が必要な宝石でもあります。
なぜならモルガナイトの価値をしっかりと見極められる買取店はそう多くないため。色石はダイヤモンドなどと異なり明確な基準がなく、ノウハウのない店舗だと買いたたかれてしまう可能性があります。
モルガナイトをご売却する際は、色石の買取実績が豊富であり、かつ信頼できる店舗を選びましょう!複数店舗に査定に出し、比較検討することも大切です。
3.まとめ
モルガナイトについて解説いたしました!
モルガナイトはエメラルドやアクアマリンと同じくベリル(緑柱石)という鉱物に分類され、マンガン由来で独特のパステルピンクを帯びていること。ティファニーの宝石鑑定士かつ宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツ博士によって発見され、ティファニーの上顧客J.P.モルガンに敬意を表してこの名前としたこと。
宝石質のモルガナイトはとりわけ希少性が高く、市場価値もまた高いことなどをお伝えできたでしょうか。
わが国では最近4月の誕生石に追加されたこともあり、今後ますます注目度を高めていくことでしょう!