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ブラックダイヤモンドとは?現在買取相場が上昇中!?

ダイヤモンドと言うと、無色透明のキラキラとした宝石がまず思い浮かぶでしょう。あるいはブルーやピンクといった、美しく色づいた稀少なファンシーカラーダイヤモンドも有名ですね。
では、黒一色の通称ブラックダイヤモンドをご存知でしょうか?まるで吸い込まれるかのような漆黒を持ちながら、ダイヤモンド特有のキラキラとした輝きも楽しめると言う大変特徴的な宝石です。
これまであまり注目を浴びてこなかったのですが、メンズジュエリーや高級腕時計を中心に需要が増しており、中古市場における需要が上昇。結果として、注目度が高まってまいりました。
そこでこの記事では、ブラックダイヤモンドとはどういった宝石なのか。その買取相場や買取時の査定ポイントなどをご紹介いたします!

1. ブラックダイヤモンドとは?

① DATA

鉱物名:カーボナード、カーボネード
色:黒、暗灰色、濃褐色など
モース硬度:10
劈開:不明瞭
原産国:アフリカ、ブラジルなど
宝石言葉:征服、パワー、吸収、自信、革新など

② 歴史と普及に至るまでの過程

ブラックダイヤモンドはその名の通り、ブラックカラーのダイヤモンドを指します。
しかしながらダイヤモンドとしての知名度が低く、ジュエリー用途としてはあまり用いられてきませんでした。
それは、なぜなのか。「ブラック」という色合いにちなんでこんな言い伝えがあります。

実は、ブラックダイヤモンドには「ブラック・オルロフ」と称され、所有したものは呪われるという恐ろしい言い伝えをもつ伝説のブラックダイヤモンドがあります。なんでもホープダイヤモンドに次いで恐れられている、とのことです。
ブラック・オルロフは、19世紀のインドで採掘されたことが「呪い」の伝説の始まりです。
当時、なんと195カラットという大振りさ(カット後ですら67.5カラット)で産出しました。現地の人々は生まれて初めて見る漆黒のダイヤモンドに畏怖を覚え、ヒンドゥー教寺院内にある神様「ブラフマー」像の目に埋め込むこととなりました。この逸話から、ブラック・オルロフはアイ・オブ・ブラフマーとも呼ばれます。
しかしながらこのブラックダイヤモンドが盗難にあってしまいます。それから時代を下ってロシアの王妃ナディア・ヴィギン・オルロフが所有することとなりました。名称はオルロフ妃にちなみます。
ナディア・ヴィギン・オルロフ妃の前のオーナーであるダイヤモンドディーラーは自殺していました。しかしながらオルロフ妃もまた、原因不明の投身自殺で亡くなってしまうのです。実は、その一か月前にもブラック・オルロフに関与したロシア王族が自殺していたばかりでした。
こういった経緯から、呪いを解くために3分割にリカットされることとなります。
その後リカットされたブラック・オルロフは様々なオーナーの手を渡り歩き、直近では2006年にニューヨーク クリスティーズで開催されたオークションで、約4千万円で落札されています。

こういった経緯を持つことから、ブラックダイヤモンドは恐れられていたのではないか?そのためにジュエリー用途として普及しなかったのでは?とも考えられます。
でも、実際のところは、一面が漆黒に変色した美しい個体は産出が非常に稀で、採掘されるものは暗灰色であったりジュエリーとしての水準を満たすものがあまり出土しなかったりしたこと。今ほどダイヤモンドを色づける技術が発達していなかったこと。確かにジュエリーの持つ華やかさ・エレガントなイメージにブラックが合わなかったことが、ジュエリーとして使われなかった理由でしょう。
用途ももっぱら工業分野に限られており、通常のダイヤモンドに比べるとその価値は著しく低いものでした。

しかしながら近年、ブラックダイヤモンドのジュエリー用途としての価値が見直されるようになってきました。
ファッションが多様化し、クールでどんな色・素材にも合わせやすいブラックが重宝されるようになったためです。いわゆる「オールブラック」というトレンドですね。
特にメンズファッションを中心に、人気に火が付く形となりました。ウブロやシャネル、フランクミュラーといった高級腕時計が率先してデザインアクセントにブラックダイヤモンドを採用したことの影響も少なくないでしょう。
ちなみに男性芸能人・有名人の使用も盛んで、タレントの木村拓哉さんや福山雅治さん、世界的な歌手のジャスティン・ビーバーさんと言った、ファッションリーダー的役割を担うイケメンたちの愛用者が目立ちます。
もちろんレディースジュエリーでもどんどん浸透してきており、グッチやスタージュエリー、ポンテヴェキオのリングやピアスでセッティングされた製品はとてもオシャレ。メンズライクやクールビューティーがトレンドインしていく中で、ブラックダイヤモンドの存在は欠かせないものとなりつつあります。
また、パワーストーンとしても着目されるようになり、魔除けや成功の象徴として扱われています。

なお、前述した着色技術が発達したことも普及を後押ししました。ブラックダイヤモンドの産出量が増えたわけではありません。状態の良い天然個体は、通常のジュエリー市場にはなかなか流通しません。
代わって放射線を使った照射処理や熱処理によって黒く色づけされたトリーテッド・ダイヤモンドが主流です。現在ジュエリーショップの店頭に並べられているブラックダイヤモンド製品は、この人工処理されたものがほとんどです。

③ 特徴

ブラックダイヤモンドの特徴は、何よりもその色にあります。黒一色で、それでいてブラックトルマリンやオニキス、ヘマタイトなどのブラック系色石とは異なり、ダイヤモンド特有の金剛光沢を放ちます。
この色と輝きを実現しているのは、結晶構造とインクルージョンです。
通常ダイヤモンドの結晶構造は単結晶に分類されます。透明で美しい宝石というのは、単結晶と言う、結晶がどの位置であっても結晶軸が変わらない構造です。一方で単結晶が寄り集まって構成される多結晶構造だと、半透明あるいは不透明な個体となります。これはブラックダイヤモンドのみならず、多くの金属やセラミックなども多結晶に分類できます。
加えて、石内部のインクルージョンによっても色味を実現しています。通常インクルージョンと呼ばれる内包物のあるダイヤモンドは、グレードが低いとみなされます。
しかしながらブラックダイヤモンドはグラファイトというインクルージョンを多く含有することでこの色を実現することとなりました。

グラファイトは石炭とも称され、ダイヤモンドと同じく炭素で生成される鉱物です。その見た目はダイヤモンドとは似ても似つかないのですが、ダイヤモンドを燃やしてもグラファイトを燃やしても、残るのは炭素と酸素だけでできている炭酸ガスとなります。つまり元素は同一と言うことになりますね。
グラファイトとダイヤモンドの違いは結晶構造です。高温高圧条件下で生成された個体がダイヤモンドのような結晶構造を形成し、ダイヤモンドになる、と言われています。つまり、ブラックダイヤモンドとは、ダイヤモンドでありながらも内部はグラファイトの性格を持った鉱物、ということですね。
このグラファイトに加えて、鉄鉱石などの金属化合物が混合し、独特の色味になっているのです。

こう考えると、いかに天然のブラックダイヤモンドが稀少かということがわかります。ダイヤモンドの生成条件だけでも、グラファイトの生成条件だけでも実現しない色味であるためです。

この構成は、他にもブラックダイヤモンドに通常のダイヤモンドとは異なる特徴を与えています。
一つ目は、ダイヤモンドよりも炭素としての側面が強く、研磨やツヤ消しなど表面加工処理が難しいという一面もあります。

2. ブラックダイヤモンドの買取相相場

ブラックダイヤモンドはカラーダイヤモンドの一種として扱われます。前述の通り、天然ものは超稀少。もし天然ブラックダイヤモンドであれば、一つの個体で数十万円の買取査定額が出ることもあるでしょう。
しかしながら現在流通しているブラックダイヤモンドはほとんど人工処理されています。そのため1カラットの1石で約3,000円程度の買取相場 と、決して高くはありません。
また、1石0.1ct前後のブラックダイヤモンドが連なったネックレスの場合、1ct辺り300円~500円程の買取相場となります。
とは言え人気ブランドの人気ラインであったり、デザインへの需要が高かったりした場合は、その付加価値分が買取査定額に反映されることとなります。
加えて、ブラックダイヤモンド製品はまだそう多くはないため、二次流通市場での需要が比較的高く、人気モデルであれば「ダイヤモンドジュエリーほどの超高額」とはいかないまでも、売りやすい傾向にあります。

現在の需要傾向やブランドごとの相場は日によって異なります。また、製品のコンディションも査定額を大きく左右します。
使っていないブラックダイヤモンドがある場合は、一度査定にお出しください。

なお、査定は必ず複数社で見積もりを取ることがブラックダイヤモンドにおいては必須です!
と言うのも、ジュエリー知識が足りない買取業者であったり、ブラックダイヤモンドを取り扱ったことがないお店だったりすると、価値を見出せず不当に安い価格で買い叩かれる可能性があります。
ブラックダイヤモンドは信頼のおける複数の買取店に査定依頼をするようにしましょう。

3. ブラックダイヤモンドの査定ポイント

最後に、ブラックダイヤモンドの査定ポイントについてご紹介いたします。

① 色

漆黒の深いブラックカラーを湛えている美しい個体は、当然ながら査定額も上がります。
また、人工処理によって着色されているかどうかも査定されます。
熟練した鑑定士のいるお店であれば、着色の有無は鑑定書などがなくても判別できます。とは言え繰り返しになりますが、天然ものはなかなか流通していません。

② カラット

カラットはダイヤモンドの重さです。
通常のダイヤモンド同様、カラット数が多ければ多いほど価格は上がります。
また、珍しいカラーダイヤモンド(天然)だと、大きい状態で産出される個体は稀なため、カラットが増えれば増えるほど査定額が跳ね上がることもあります。

③ カット・傷

カットの種類(ブリリアントカットか、エメラルドカットかなど)、は殆ど影響しません。ブラックダイヤモンドには透明感がありませんので、表面を多面カットされたものが殆どで、カットの良し悪しが存在するものではありません。
それよりも表面に傷が出やすい為、表面傷の有無、量が重要になってきます。

④ ダイヤモンド鑑定書や付属品

購入時の鑑定書や保証書などは、査定時にあるにこした事はありませんが、無色透明のダイヤモンドとは違い、ブラックダイヤモンドにはクラスを表す鑑定書自体が発行されるものでは無いので、それほど重要ではありません。しかし、ブラックダイヤモンドを査定できない買取店では、オニキスや他の石としてとても安い査定をされる場合もあるので注意が必要です。
ブランドジュエリーであれば、付属品の箱などがあるとベストです。

4. まとめ

ブラックダイヤモンドについてご紹介いたしました。
ブラックダイヤモンドとはカラーダイヤモンドの一種でありながら、ジュエリーとして注目され始めたのは最近であること。グラファイトと言うインクルージョンを持ち、研磨やカットがしづらいと言った、ダイヤモンドとは異なる特性を持つこと。天然ものであれば非常に高額買取されるけれども、実際は人工処理された個体がほとんどであること。人気ブランドの人気ラインであれば買取価格に色が付くことなどをお伝えできたでしょうか。
当店グリーバーでは、カラーダイヤモンドの取り扱いに長けた鑑定士が常駐しております。

査定だけでも結構ですので、ぜひ一度お立ち寄りください!